さんぶんろぐ

0.1%の悪友たちへ

小説の中の偶然について(テスト)

 

『東大で文学を学ぶ』という本を読んでいて、横光利一が出てきて、その流れで「純粋小説論」を読んだ。

わかる気がした。

 

この小論は当時の私小説的在り方にあまりに影響され、それへの反歌として書かれているので、視野が狭いと思われるところもある。

それでも、偶然性などの話しで僕が受け取ったものは

作中に本当の偶然性を描こうとするのなら、それは凄く難しいのだろう。だけれども、傑作を書こうとするならば、真の偶然性を書き得なければならなくなるだろう。 

 などというものだ。

何の偶然とも思われない必然群の集合として書いて、もうそれ以外としてはあり得なかったと読者が感じることと、作中に本当の偶然が起こることとは、また別のことなのだ。

作中の偶然は、偶然という必然として擬態しながらやはり本当の偶然としてやって来る必要がある。ただそれが読者や物語という視点から必然なのだ。

それを繋げて見てしまう方のその生き方や在り方の仕組みをある意味では逃れようもなく利用しているのだ。